8/27/2013

With more imagination for our future

こんにちは。まだまだ暑い日々が続いていますね。夏休みの真っ直中なので、東京大学の中は閑散としています。実は研究者にとっては、この閑散とした最中こそが最も研究に集中できる期間なので、貴重な「暑い夏」を大切に過ごしているところです。

夏休み中に少し考えさせられているのは、課題解決型の研究についてです。目の前の課題解決にばかり囚われていると、実はまた別の問題を招いていることさえあるかもしれませんよね。あるリスクの軽減が別のリスクの増大に繋がることがあることはよく知られていますが、研究だって同じなのです。自分の興味関心を突き詰めることで、研究上のブレークスルーを生み出すことは大事なのですが、我々はその先の影響を考えたいと思っています。

おそらく「政策」と呼ばれるものも同じではいでしょうか。目の前の課題に引っ張られて積み重ねられる政策は、何らかの形でわたしたちの将来を形作る、ないし方向づけています。そうであるとすれば、おのおのの政策を語るときに、目の前の課題に対する有効性だけで評価することにどれだけの意味があるでしょう。われわれは、もっと将来を見据えて、もっと言えば過去から現在を、現在から将来を想像して、政策について語る必要があるのではないでしょうか。これは、一研究者としての自戒でしかないですが、肝に銘じて研究を続けていきたいと思います。


読売新聞の報道によれば、認知症に優しい街を推するために省庁が総合政策へ連携するそうですね。高齢者を標準とする社会への第一歩と言えるでしょうが、他方で単に目の前の超高齢化社会への対応というだけでなくその先を見据えた議論、たとえば、さらなる人口減少や国際化などをも想定した総合政策が検討されれば素晴らしいですね。