6/23/2010

compliment in chatting





褒められて嫌な人はいないですね。それは、洋の東西を問わないの気がします。先日、ある出張先で空港まで乗り合いタクシーを使う機会がありましたが、会話のはしばしで褒め言葉が使われているのに気づきました。例えば、タクシー・ドライバーと他の乗客は、東京をニュー・ヨークと並ぶ世界有数の素晴らしい大都市だから、ぜひ行ってみたい、と表現するのです。ニュー・ヨークと並び称されるのはともかく、タクシーの運転手と他の乗客が異国の地から来たわたしに気を使ってくれていることを有り難く感じました。

実は、出張先というのはビールと音楽で有名な都市でしたので、わたしもその2つをそれとなく褒めました。褒めた後の方が、乗り合いタクシー内の雰囲気が良くなったのはいうまでもありません。タクシーに乗ってまで気を使うことになったのは予想外でしたけれども、それでもコミュニケーションの神髄、お礼の気持ちを素直に伝えることの重要さを改めて知ったのはよい経験でした。

会話するときには、相手を自然に褒められたらいいですね。ビジョンセンターにいるとさまざまな人と会話する機会があるので、これから気をつけたいと思っています。

6/22/2010

Our First Challenge for Therapeutic Ultrasound on June 12, 2010




超音波治療機器パネルディスカッション開催

東京大学(政策ビジョン研究センター)は、2010年6月12日午後、日本超音波治療研究会 (Japanese Society for Therapeutic Ultrasound, JSTU)主催の超音波治療機器パネルディスカッションに協力いたしました。このパネルディスカッションは、第10回超音波治療に関する国際シンポジウムにあわせて開催されたもので、多数の方に来場いただきました。

革新的な医療機器と医薬品の早期導入は、先日6月18日に公表された『新成長戦略』のなかでも重要な課題の1つとして位置づけられています。一口に「医療機器」といっても様々なものがありますが、超音波治療機器は、そのなかでも日本の優れた技術を活かせる機器として期待されているのです。

しかしながら、わが国ではそのような革新的な治療機器が創出され、患者の手に届くまでに比較的時間がかかる状態が続いています。これを「デバイスラグ」といいます。驚くべきことに、治療機器のなかには欧米と比べて約10年間も導入が遅れているものもあるのです。

超音波治療は、わが国の優れた技術を活かせることはもちろん、費用や有効性の面などの多くの利点を持ちながら、開発や利用について「壁」に直面しています。その壁を生み出している最も大きな要因は、科学技術の進歩のスピードに制度の変化が追いついていないことです。それによって生まれた制度の空白が、革新的な治療を享受する可能性を阻んでいるのです。この問題は、政策ビジョン研究センターが取り組んでいる「テクノロジー・アセスメント」、「科学技術ガバナンス」、そして「制度創造」に関係しています。

残念ながら、デバイスラグの解決に向けた、真に有効な処方箋はまだ明らかになっていません。今回のパネルディスカッションは、医学、工学、医療政策、そして行政学というさまざまな専門家に加えて、産業界の方々を交えて超音波治療の早期導入についてバランスの取れた改革パッケージを見出す、という初めての試みです。

パネルディスカッションの全体司会を務められたのは、東京大学理事・副学長の松本洋一郎教授です。東大からは、モデレーターとして佐久間一郎教授、パネリストとして林良造教授と城山英明教授が参加されました。その他、先端的な超音波治療に取り組まれている医師、 電気機器の国際標準規格の策定に携わる専門家がパネルに加わりました。

また、パネルディスカッションに先立ち、鈴木寛 文部科学副大臣と東京大学の秋山昌範教授をはじめとする4名が基調講演をされました。鈴木副大臣からは、今回のパネルのような現場感覚を持った専門家コミュニティによるガイドライン作成等への協力について期待が表明されました。

今後も、このような枠組みで継続的に意見の交換と提言の発信を行っていく予定であり、政策ビジョン研究センターは、その活動に協力していきます。