12/01/2010

The Last Leaf, what for a lie?



2010年も師走に入りました。銀杏の葉が風に舞うのを見るたびに、『最後の一葉』を想起するのは僕だけかもしれませんが、時間のはかなさを痛感する今日この頃です。

『最後の一葉』は、目的のために適切な手段が正当化されうることを示しているのでしょう。それでもなお、僕は、読み終えた後にいつも逡巡してしまいます。ベッドに横たわっている患者さんは、どんな思いで最後の一葉を眺めていたのだろうか、余生の前に「今この瞬間の苦しみ」を緩和することにこそ意を払うべきではないのか、などなどです。

嘘も方便、しかしながら、真実は時は娘という言葉があるように、いずれ真実が白日のもとにさらされたとき、嘘の責任を引き受ける意思がなければ、けっして使うべきではない、そんな気がします。嘘をつく方も、つかれた方も、傷を負わずにはいられないのですから。

だらだらと書いてしまいましたが、東大で美しい銀杏を楽しめるのもあとわずかです。お時間があったら、ぜひお越し下さい。

RAPS 2010 in San Jose




薬事規制に関する専門家団体(RAPS)の年次会合について

グローバルな視点から医療分野のイノヴェーションを模索、鍵は規制の透明性と競争の促進

ビジョンセンターは、2010年10月24日から27日にかけて、サンノゼ(San Jose McEnery Convention Center)で開催された薬事規制に関する専門家団体(Regulatory Affairs Professionals Society, RAPS)の年次総会に参加しました。年次総会では、欧米のみならずアジアやラテン・アメリカなどの国々に関心が向けられていて、よりグローバルな視点から医療分野のイノヴェーションを促進する方策が議論されました。また、医療機器分野については、アメリカ合衆国で大幅な規制改革が予定されていることから、特別の注目を集めました。

1976年に設立された薬事規制に関する専門家団体(RAPS)は、メリーランド州(アメリカ合衆国)に本部を置く国際的な薬事専門家非営利組織です。薬事規制に関する専門家団体は、医薬品や診断薬などの開発販売に関わる有益な情報を継続的に共有することを通じて、規制に関連する専門家の能力の向上を図り、以って公衆の健康の増進に寄与することをその目的としています。会員は世界52カ国で1万2000人以上、製造販売会社や認証団体などの産業界だけでなく、研究機関、行政機関などさまざまな専門家から構成されています
(詳しくは、日本支部RAPS Japanのサイトを参照下さい。http://www.rapsjapan.jp/Portals/3/Documents/About_RAPS.PDF)。

医療機器の規制については、欧州は改正EC指令(2007/47/EC)が2010年3月に施行されたばかり、アメリカ合衆国は一部の製品について設けられていた簡易な承認手続き(pre market notice)の変更、とりわけ規制の強化を検討中という状況からか、極めて活発な意見交換が行われました。

今回の出席は、医療機器に関連する世界各国の政策の方向性を把握し、わが国において政策提言をする上で、極めて重要な機会になるものと確信しています。