7/12/2010

Reading "Economics for beginners




7月7日の七夕から、ビジョンセンター教授の坂田一郎先生の連載が日経新聞「やさしい経済学」でスタートしました。連載名は、「ネットワーク理論でみた技術革新」です。ぜひご一読下さい。

第2回目の連載では、知識の爆発と知識の細分化について説明されています。知識の爆発は科学論文等による知識の発信の急増を、知識の細分化は研究テーマが細かくなって、研究者が周囲を見渡す余裕を失っていることをいうようです。要するに、社会に知識が溢れ、それが細かい問題点にまで及んでいるものの、現在それらの大量かつ細分化された知識は構造化されていません。そのせいで、わらわれはそれぞれの知識間の関係を十分に把握することができず、知識を有効に活用することができない状況にあります。それが、問題というわけです。どうして問題なのでしょうか。

例えば、せっかくの知識を有効に活用できないと、将来有望な技術を見誤る可能性が高まるかもしれません。また、組合わなどによって、何らかのシナジーを生み出すような素晴らしい技術を見出せなくなるかもしれません。これは大きな国家的損失ですし、科学界全体にとっても重大な事態といえるでしょう。

このような問題を解決する重要な鍵が、ネットワーク理論であり俯瞰工学、ということが今後の連載で明らかにされるものと思われます。詳しくはぜひ坂田先生の連載をご覧下さい!

ちなみに僕は、中学生のときにワトソン教授とクリック教授の「二重らせん」という本を読んで研究に関心を持ちましたが、1953年当時には年間100本程度の論文しかなかったそうです。それに対して、今では少なくとも年間10万本の科学論文が発表されているとのこと。研究者の方々にとっては、先行研究や関連論文を見落とさないようにするだけでも一苦労ですね。。。